デス・ストランディング、クリアしたので個人的な評価感想です
まず世間的な評価としてアマゾンレビューを見てみると
↓
星3.5~4くらいの評価
私もこれくらいが妥当な評価だと思います。100点満点でいえば70~75点くらいかぁという印象
デス・ストランディングは最近のゲームにしては珍しくかなり腰をすえてじっくりやる系ゲームで、開始から7時間目くらいはほぼチュートリアルみたいな感じであまり面白くない(お使い感ある)その後好きに動けるようになってから楽しくなるゲームです
作品に手抜き感は一切なく、やってる間は楽しくて時間がどんどん溶けていきました。ただ、死ぬほど面白い…とまではいかずクリア後もずーっとやってられる楽しさではないと思う
デスストの楽しいところ
ゲーム部分でいえば配達建築ゲーなので建築が楽しいです。一般的なアクションゲームが
敵が攻撃してくる→それを避けるor防御する→こっちが攻撃する
と瞬間的にボタン入力が必要なのに対して、小島監督が過去に作ったゲーム「メタルギアソリッド」は、なるべく敵に見つからない潜入ルートを考えることが重要となり事前にじっくり考える戦略性が求められました。
デスストランディングはさらにその進化系のようなもので、広大なマップで効率的に移動するために、あれを建築しようか、これを建築しようか、他人が建ててくれた建築物をうまく利用できないか、とじっくり考える必要があり、またそこが楽しい部分です
デスストのオリジナリティ
お金の概念がない
デスストは配達ゲー。配達ゲーなら配達したらお金がもらえるのが普通…と思うじゃないですか。でもデスストは配達してもお金はもらえない。お金という概念はデスストに出てこない。ここがユニークだと感じたところで、かつ個人的に好きなとこ
じゃあ配達したら何がもらえるか?というと「いいね」という感謝の気持ちと、ときおり建築資材がもらえるだけ。その建築資材で何を作るのか?というと次回配達を楽にするためのインフラを作る。結局いくところまでいっても配達の奴隷やないかい!
…というツッコミはあるけど、お互いできることで助け合っていこうぜという世界観が素敵です。主人公は配達ができるから配達をする。配達してもらう側の人間は配達してあげた素材を使って主人公の装備を開発してくれたりします。(一人だけ何回もピザを長距離配達させるカスがいるが)
またゲームにお金が出てこないというのは小島監督のデススト発売前の過去の発言にある
「最も簡単にお金を儲ける方法は、島の中で全員が撃ち合うゲームを作ることです」
「私はそういったものは作りたくありません」
小島秀夫監督 「バトルロイヤルゲームは作りたくない」コジマプロダクションの小島秀夫監督は、サンディエゴコミコンのパネルでバトルロイヤルゲームについて語った...
という考えを色濃く反映したものだと思います。この発言はめちゃめちゃかっこいい。
「俺は金儲けがしたくてゲームを作ってるんじゃない。新しい作品を作りてぇんだ!」
と言ってるわけで、クリエイター魂爆発してる。こういった考えがゲームにも落とし込まれ、ゆえにデスストにはお金が出てこない…のではないかと思います。作る作品の世界観含めて言論一致してるのはすごい事です
(MGSVではお金要素がっつりあったし、リアル課金要素もあったけどコナミがお金儲け大好きだからねしょうがないね)
デス・ストランディングは全く新しいゲームか?
似たゲームはない
デスストに似たゲームはあるか?というと無いのでオリジナリティは高い。売れてるゲームの売れてる要素を安易に取り入れることなく、今までなかった新しいゲームを作る小島監督のスタイルはクリエイターとして高く評価されてる部分でしょうし、素晴らしい事だと思います
革命的なほどの新しさは感じず
小島監督は発売前に「デス・ストランディングは全く新しいゲームです」と言っていたけど正直「うわああこれは全く新しい!!」という感動するほどではなかったです
PUBGとかデモンズ・ダクソは一つのジャンルができるほど革命的だったけど、デスストはたぶんそこまでの影響力はもたないと思います
ゆるいつながりは新しくない
協力的でリアルタイムではないでゆるい繋がりというのもデモンズソウルがps3時代に「地面にメッセージを残す」という機能で実装されてました(この先罠注意!とか書ける)
デスストはそういうのの超発展進化系ではあるものの、「全く新し仕組み」とは感じず
戦闘がメインじゃない事は新しいか?
デス・ストランディングはゲームなのに戦闘をメインに据えていな珍しいゲームです。けど新しくはない。
たとえばノベルゲームも戦闘をメインに据えてないゲームですし、その映像進化系ともいえる「ヘビーレイン」(PS3時代の作品)や
「デトロイト」(PS4時代)
などはさらに「戦闘をメインに据えてない」方向で振り切ってる。
グランド・セフト・オートも戦闘メインというよりも町をブラついて身勝手に生きるのが楽しいゲーム。なので戦闘がメインじゃないことが新しい!とは思わず
戦闘は大味
大型ボスとの戦闘はかなり大味です。敵もプレイヤーも動作がゆっくりなのでもっさり戦闘。また敵の攻撃パターンも少ない&主人公の武器の種類も少ないので戦闘が単調です
クリフとの銃の打ち合いは楽しかったですが、これはそんなに何回も戦えるわけではありません
演出はすごくいい
たとえば雪山でのホワイトアウトは臨場感があり、ほんとに方向感覚がわからなくなるし、方向感覚を取り戻しても目的地まで最短距離を行こうと無意識に無謀な登山をするようになっていたり…とリアルな恐怖が体験できました。(ホワイトアウトに実際遭遇したこと無いけど…)
またイベントですこしの間だけ第1次世界対戦の戦場などに飛ばされるんですが、戦場のリアル感、恐ろしさ、カオス感も今まで体験したゲームの中では一番でした。「リアル世界で兵士がこんなところに何日もいたらそりゃ精神疾患になるわ」って思えたほど
この戦争の演出の要素を元に戦争ゲー一本作れそうなほどのクオリティでした
効果音が迫力ある
デスストの効果音、迫力あります。効果音の良さもっと評価されてほしいw
ちゃんと完成してる
MGSVはゲーム部分はとてもおもしろいのにストーリーが尻切れトンボで猛批判されましたが、デスストはきっちり最後まで作ってあります
デススト本編終盤の「未完成?」のセルフツッコミは草はえた
MGSVと比較して
ゲームとしての面白さはMGSVのほうが上だと感じました
最後に
“漫画家が書きたい漫画を書くと売れない”
“小説家が書きたい小説を書くと売れない”
みたいな話を聞いたことがありますが、
今回小島秀夫監督が自ら会社を立ち上げ作りたいように作ったデスストはやはりMGSVより娯楽的な面白さは少ないものでした(=ウケにくい)
ただそれでもプレイ中はしっかり面白いゲームに仕上がってるのはさすが俺らのHideoKojima
また、小島監督のファンは「小島監督がコナミ&メタルギアから解き放たれ、作りたいと思って作った作品をプレイしてみたい」と思ってたでしょうし、デスストでファンから信者になった人も、ファンからアンチになった人も、気持ちに一区切りついてよかったんじゃないでしょうか
追記:ホラーゲー出して
あとたま~にある恐怖演出はドキッとしてとても良かった。小島監督がホラーゲーム出すなら絶対予約して買う(PTだして…)
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